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チータについて

始めに  1.チーターの紹介  2.問題点  3.遺伝的多様性  4.チーターについて 
5.データシート  6.種族について  7.ドクター・マーカー著「STUDBOOK」について
8.書籍紹介  9.ギャラリー


1.チーターの紹介 - Introduction to the Cheetah

多くの人はライオン、チーター、ヒョウといったネコ科の大型補食動物を怖がります。 我々は頻繁にただ肉食動物を怖がることのみを学び、その独特な行動や、特化した適応能力、 生態系のバランスを保つための重要な役割を理解していないのです。多くの人々は補食動物の排除によって 恐怖から逃れようとするために、我々の考え方や勘違いがこのような動物たちを絶滅の危機に追いやってきたことに なります。絶滅危惧種の個体数は少なく、生き残るためには長期にわたる集中的な保護が必要です。チーターのような 絶滅危惧種を救うためには補食動物に対する考え方を変える必要があります。なぜ絶滅に瀕している動物がいるのかを 学ぶ事で、バランスのとれた生態系がいかに重要か、そしてもし我々が環境汚染や生息地の破壊を続けるとどうなるかを 学ぶことができます。我々は環境学習を通して、補食動物を絶滅の危機に追いやった考え方や行動を改めることに共に勤め、 動物達を絶滅から救う手助けをしましょう。
一人一人が変化を生み出すことができるのです!

Cheetah rest

補食動物を十分に理解するためには、まず野生環境における彼らの役割を理解する必要があります。 補食動物は生き残るために他の動物を殺さなければならないので、何世紀にもわたって多くの文化の中で 彼らに関する多くの伝説が生まれました。チーターの現状は世界中で多くの補食動物が面している問題を象徴しています。 チーターが絶滅に瀕している原因には、生息地の減少、農業や開発から受ける被害、農民による家畜を殺す害獣としての被害届け、 そして密猟などの違法な捕獲が挙げられます。

21世紀にバランスのとれた野生動物の個体数を保つためには、我々は動物達の生き方を理解し、彼らの存在が人類の存続に とっても大切であることを知る必要があります。野生の生物は生態系の良いバランスを保ち、我々に食べ物、住居、衣服、 そして経済的利益を与え、そして彼らの存在によって我々の生活の質を向上させてくれます。

人間も捕食者であり、肉食動物です。我々は野生動物と天然資源を奪い合っているのです。人口が増大すると共に人間は 天然資源を乱獲してきました。食物、鉱物、木材やその他の資源に対する需要が高まるにつれ、世界は多くの野生の地と 野生の動物を失っているのです。200年前には地球上には10億人以下の人間しかいませんでしたが、現在では60億人を超えています。

絶滅は自然の摂理です。何百年、何万年にもわたって植物や動物は絶滅を繰り返してきました。しかし、現在の絶滅率は 今までになく過激です。1年間に絶滅する種は4万種にのぼるとも言われています。過去6千5百万年にわたり、これほどの率で 絶滅が起こったことはありません。人間によって引き起こされる主な絶滅の原因には以下の5つが挙げられます。

O 開発目的、木材、鉱物、石油採取による生息地の破壊
O 外来種の持ち込み
O 汚染
O 動植物の採集、狩猟、または密猟による乱獲
O 動植物製品の信仰目的での使用

チーターの生存は人々が、そして我々がいかに野生個体数を管理し、生息地を守る事ができるかに掛かっています。

たとえば、人間が建物の建造、家畜の放牧によって動物の生息地を破壊するとき、そこに住むほとんど全ての動物の生存を現在、 そして未来にわたって妨げています。動物達は人間との場所争いではとても勝ち目がありません。人間は環境を急激に変化させます。 動物はこの変化に適応できない、もしくは適応が間に合わないこともあります。チーターのような大型の補食動物は、 徘徊する広い範囲を必要としています。チーターは多数の群れで見られることはありません。生息地の減少と地理的に限られた地区 (生きるのに狭い地区)はチーターの生存を脅かしています。低生存率(少数のみが長く生きる、また大人になれる個体数が 限られている)もまた影響しており、人間との争いにおいて不利な状況を招いています。野生では90%と幼獣の死亡率が高く、 また農民による無差別な殺害で成獣の死亡率も高いことから、少なくなったチーターの個体数回復は難しくなっています。 補食動物種が人間との争いの中で生き残るように助けるというのは、野生動物保護のあり方の一つです。生息地と獲物の減少、 大型補食動物や農業の利害関係、そして密猟はアフリカのチーターの個体数に大きな被害をもたらしています。今日では、 この絶滅に瀕した猫科の動物はアフリカとアジアを合わせて1万2500頭を下回る数しかいません。チーターの大部分は小さな 孤立したグループに分かれ、禁猟区の外に住んでいる為に頻繁に人間や家畜と争い、個体数は継続的に減少しています。 もっとも多くの野生個体数はナミビアで見られます。1980年代にチーターの数は2500頭以下と、半減しました。遺伝子の 多様性の欠如、繁殖異常、幼獣の高死亡率、そして病気に非常に感染しやすいということからもチーターはさらに絶滅の 危機にさらされています。遺伝子の多様性が増すことにより、生物は環境や生態系の変化に適応しやすくなり、病気への 免疫力もつきます。

以前チーターはアフリカ全土に生息していましたが、今はかつての生息域のほとんどで絶滅の危機に瀕しています。 チーターが人間の生活に脅威をもたらすことはありません。人々は、チーターが家畜や小さい、若いアンテロープなどの 他の動物をただ気まぐれに殺し、法外な経済的損失を招いていると思い込んでいるために、チーターを排除する運動を 続けているのです。しかし、実際には家畜への被害は大げさに報告されていると共に、その多くは数少ない家畜を獲物に しているネコ科の動物やその他の害獣とされている動物、そして家畜の飼育方法に問題があることによって引き起こされています。 このような問題はありますが、まだチーターには広大な南部アフリカの農地で生き残る可能性が残されています。

人間はこの地球を、3千3百種類を超える動物、植物、または他の生物と共有しています。我々の地球は生物の多様性に富んでいます。 植物、ほ乳類、昆虫、無脊椎動物など、すべての種はお互いに関わり合っているのです。人間は食べ物や薬として多くの植物や 動物に頼っています。チーターは3千3百種類を超える生物の一種にすぎません。では、チーターが絶滅してもかまわないの でしょうか?ただ一種の絶滅は、我々の生活にはなんら影響がないように思われます。しかし、すべてのものは繋がっていて、 チーターが生態系でいかに重要であるか考えることを忘れてはいけません。ただ一種を失うことで、我々の世界は貧しくなって しまうのです。チーターは地球上に存在するに値します。人間はチーターを5000年にもわたって崇拝してきました。 もし彼らが将来的に失われるようなことがあれば、生態系のみでなく、自ずとこの生き物のすばらしさを知っている人々の 魂にも大きな穴をあけることになります。変化に富んだ生態系と多様化する生命を育むナミビアは、チーターの未来への 大きな希望をはらんでいるのです。

優美なアフリカのハンターであるチーターをこの生存競争で勝利へ導くためには、若者の教育と理解が最重要となります。 チーター保護基金教育プログラムの最終的な成功は我々、特に先生と生徒であるみなさんにかかっています。我々の活動を 支持することで、皆さんはこの絶滅危惧種を守るという国際的な運動に参加していることになります。協力することで我々は 世界の豊かな生物の多様性を守ることが出来るのです。環境教育に参加することで、みなさんは我々の大地と野生動物を 慈しむことの出来る人間になり、将来的にはあなたの生徒がそれを継承してゆくのです。CCF教員ガイドブック (CCF teachers’ resource guide)もお買い求め頂くことが出来ます。これにはライフサイエンス、社会、英語、 数学、体育、美術の項目が含まれています。このガイドによってみなさんの生徒が、個人や共同での野生動物保護活動に ついてじっくりと考え、前向きに世界の環境改善に向けて活動できるようになればよいと思っています。

1980年代〜1990年代のチーターの個体数変化に関する注記: 1980年代、ナミビアではチーターの個体数が10年間で半減するという劇的な 変化がありました。1990年代はじめに農村と共にCCFが活動を開始した時にはわずか2500頭を下回る数しか残っていませんでした。 その後、ナミビアでは穏やかな変化が起こり、過去数年間にわたり個体数は安定しています。CCFの調査によると農民はチーターに 対してより寛容になり、少数のチーターしか殺していません。殺されたチーターも家畜の死に関係しているものか、または農民が CCFに協力を呼びかけています。

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